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サイババへの帰依(信仰)

 
 ナレンドラの祖父および両親がサイババの帰依者(信じて教えを実践する人)であり、サイババが夏に過ごすバンガロールに近いホワイトフィールドのアシュラム(霊性修行の場)の近くで生まれたため、ナレンドラは物心つく前からサイババのアシュラムに連れて行かれ、ダルシャン(神が祝福を与える)を受けてはいたが、ナレンドラ自身は20歳頃までサイババを本当には信じていなかった。サイババが空中で手を廻しビブーティという神聖灰を出すことを彼自身もずっとマジックだと思っていたのだ。

 サイババのアシュラムで、サイババの写真を撮影していたカメラマンの助手を勤めていた頃、サイババが夏の避暑地であるコダイカナルへ移動したため、彼も雇い主であるカメラマンと車でコダイカナルへ向かう途中のことである。コダイカナルまでは20時間ほどかかるのだが、全く休憩せずに走り続けたため、彼が運転していた車のタイヤが2本同時にパンクしてしまったのだ。スペアのタイヤは1本しか持っておらず、あたりにパンクを修理してくるガレージもなかったので、彼は2本のタイヤをはずして、それを手で廻して動かしながら1kmほど押して行き、ガレージを見つけてパンクを修理してもらった。
 
 修理したタイヤを車に取り付けて10kmほど走ったところで、また2本のタイヤがパンクしてしまった。彼は心の中でサイババを非難した。カメラマンは彼を怒ったが、急に「ババ(サイババ)の悪口を言っただろう。」と言うので、彼は正直に、「そう。だってババを信じてないから。」と言った。するとカメラマンは「ババに許してほしいと祈りなさい。」というので素直にそれに従ってサイババに謝り、祈った。

  すると今まで一台の車も通らなかったその道の後方から2台の車がやってきて、パンクの修理を手伝ってくれた。パンクだと思ってタイヤのゴムチューブを水につけてみると、チューブに穴はあいていなかった。ただ空気が抜けていただけで、タイヤには何の問題もなかったのである。その後1ヶ月間の旅の間も、そのタイヤには何の問題も起こらなかった。

 コダイカナルのサイババのダルシャン(神の祝福を受けること)で、彼は生まれて初めてビブーティをサイババの手から出してもらった。ナレンドラはこの出来事をきっかけにサイババを信じるようになり、帰依者となったのである。